阪急阪神ホテルズから発覚した食品偽装問題ですが・・・高島屋や大丸松坂屋や三越伊勢丹などの百貨店でも行われているという驚きの展開になってきています。
これだけ大騒ぎになっている理由の1つとして、ホテルにしても百貨店にしても超一流と呼ばれている企業での偽装だったからだと思います。
しかし、どこのホテルも百貨店も・・・「誤表記だった」と言い訳しているのを見て、悲しくなってくるのは私だけではないと思います。
阪急阪神ホテルズ の食品偽装の経緯
阪急阪神ホテルズの23店舗で食品の産地などを偽装して表記しているという事件が発生しましたが・・・
偽装していた期間は約7年間。
そして食品を提供していたお客は、延べ約80000人なんだそうです。
偽装の手段としては・・・
- 「ステーキ」と表示してあるのに「牛脂注入牛肉」を使った
- 「鮮魚のムニエル」と表記してあるのに「冷凍した魚」を使った
- レッドキャビアは「マスの卵」ではなくて「トビウオの卵」を使った
- 「鮮魚の鉄板焼き」に冷凍魚を使った
- 「芝海老」と表記してあるのに「バナメイ海老」を使った
阪急阪神ホテルズは、お詫びをすると同時に返金作業に入っているそうです。
返金総額は、おおよそ1億1000万円。
ただし、メニューの価格を返金するだけのもようです。
利用者としては賠償金を払ってもらいたいと考えている人もいるのではないでしょうか?
だって・・・、記念のパーティーや結婚式での料理にも偽装食材が使われていたのですからね。
なんと、この後に他のホテルでも続々と偽装していた実態が発覚していくことに
阪急阪神ホテルズだけで終わったと思っていた食材の偽装問題ですが、この後にも次々と発覚していくことになるのです。
「ザ・リッツ・カールトン大阪」
「ルネッサンスサッポロホテル」
「札幌グランドホテル」
「徳島ターミナルビル」
「ホテル黒部」
「ジャスマックプラザホテル」
「札幌ガーデンパレス」
「ホテル日航ノースランド帯広」
「名古屋観光ホテル」
これら以外にも、山ほどのホテルで偽装が。
そして・・・「帝国ホテル」
名だたるホテルで偽装食材メニューを提供していたのです。
この段階で、テレビを見ている人は・・・
「怒りを通り越して呆れてしまった」という人が続出したのです。
偽装はホテルだけではなかった!百貨店でも公然と偽装が!
ホテルの食品偽装でうんざりしていたところに報道されたのが、各有名百貨店での食材偽装です。
- 「高島屋」が、牛肉・フルーツジュース・海老・カニで偽装を行なっていた
- 「小田急百貨店、京王百貨店、東武百貨店」のおせち料理で偽装
- 「松坂屋」で海老の偽装
- 「伊勢丹」で、海老・豚肉・牛肉・栗・産地の偽装を行なっていた
まだまだ出てくる気配があるのが恐ろしくもありますね。
いずれも、有名と言われている百貨店というのが驚きです。
どこの偽装も同じような傾向の手段を使っているところを見ると、店と店とで偽装情報のやりとりをしていたことが疑われます。
偽装問題の原因は・・・「経費削減」
食品偽装をする理由ですが、当たり前のように「経費削減」が一番の理由です。
長引く不況で人件費は大きく削って余地は少ないですので、材料費の削減に目が向いたことが原因ですね。
食品の原価を低くした社員が評価を受けるという仕組みなのですから、納得できる減少とも言えるでしょう。
また、激安ホテルの登場によって一流ホテルの利用者が大きく減ってしまったことも要因の1つと言えるのではないでしょうか?
さらに、料理を分かっていない経営者が現場のシェフへ経費削減を命じていたという例もあるようです。
泣く泣く偽装をしていたシェフというのもいるのかもしれないですね?
呆れたことに、偽装ではなくて誤表記と言い張るホテルと百貨店が続出!
どこのホテルとは言いませんが、食材の偽装を認めるつもりがない経営者もいるようです。
あくまでも・・・「メニューの誤表記」であると言い張るのです。
でも・・・それは通用しませんよね?
だって、必ず安い食材と使っていて高いメニューへの誤表記しか行われていないのですからね。
間違うこともあるというのであれば・・・
安い料金のメニューに高級食材を使うこともあるでしょうに。
消費者の感覚で言えば・・・詐欺です。
正しい表記に対する明確なルールや義務付け作業が始まった
驚くべきことですが、実はレストランや外食店では食材の原産地や原材料の表示の義務はないということなのです。
しかし、小売店には義務付けられているんですね。
今回の偽装問題は、こういった仕組みを悪用した悪質な物であると感じられてしまいます。
消費者団体では、ルールを作る事が大切だと指摘しているようです。
コメダ珈琲の「生クリーム」はどうなの?
中部地方を中心に喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」を運営するコメダ(名古屋市)は7日、メニューで表示と異なる食材を使っていたことを明らかにした。2003年に発売したチョコレートケーキに使うクリームについて、委託先が製造したにもかかわらず「自家製」と表示。一部のコーヒーやココアでは、「生クリーム」としながら、植物油脂などを加えた「ホイップクリーム」を使用していた。
コメダ珈琲の件も偽装と言えば偽装ですが・・・
お客の方は勝手に、「格安のコーヒーショップで生クリームが出てくるわけがない」と決めつけている節がありますので大きな問題にはなりませんでしたね。
やはり、一流のホテルや百貨店で高い料金を取っているにも関わらずに偽装食材を使っていたことが利用客が怒る理由ですよね。
クール宅急便でも偽装が行われていた!常温で放置してあった!
ヤマト運輸のクール宅急便でも偽装が行われていたということで、非常にビックリしました。
お客から預かった「冷凍」や「冷蔵」が必要な箱は常温で放置してあり、保冷用のコンテナの扉は開けっ放しになっていたのだそうです。
実は、ヤマト運輸にとって「クール宅急便」というのは需要が伸びているドル箱サービスだったのに・・・
今回のいい加減な作業によって信頼を失うことになりますので、売上げの大幅減は免れることはできないでしょう。
クール宅急便の例も食材偽装と同じで、高い料金を受け取っていながら適正なサービスを行わなかったということでお客が怒るのも無理はない事だと思います。
まとめ
ホテルや百貨店は、偽装食材を使うことによってコストを抑えることができて利益に貢献できたと思っていたことでしょう。
しかし、偽装が発覚してしまえば・・・
お客の信頼を失ってしまうことになります。
当然、偽装メニューの返金も莫大な金額となってしまうのですが・・・
一流店を信頼しなくなったお客は、「どうせ安物の食材を使っているのなら、最初から格安店にいくさ!」・・・という心境になってしまうのではないでしょうか?
つまり、目先の利益を追いかけて・・・大切な物を失ってしまったのですね。
安物を買って偽物だった場合は、コチラもなんとなく納得できてしまいますよね?
しかし、一流の値段を取っておきながら偽物の食材を使っていたとなると・・・これは立派な詐欺に該当する行為となります。
一部の企業の偽装は、日本企業全体の信頼とブランド力を落としてしまうことになりますので・・・
一部のホテルや百貨店の僅かな利益のために・・・日本全体としては莫大な損失を被ってしまったことになるのではないでしょうか?