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行政が気付かなかったコンパクトシティ構想集約化事業の欠点!


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コンパクトシティ構想が出現してから早くも10年くらいが経過したと思いますが、予想通りに・・・コンパクトシティ化には程遠い事になっているのだそうです。

特に行政指導によるコンパクトシティ化構想の事業には、素人が考えても変な考え方があるようでして、上手くいかないのも当たり前なのかなーと思わされてしまいます。

今回は、私が一番おかしいと感じた事例をご紹介いたしたいと思います。

 

郊外のお年寄りに中心部のマンションへ移り住んでもらうつもりだったらしい・・・

行政が、人口も減って財源も減少していく時代に合わせて無駄な出費を抑えるために飛びついたのがコンパクトシティ構想です。

病院や公共施設も集約化して、維持費も減らせるという夢のような構想でした。

 

しかし、これまで地方自治体は、効率の良い町を作ろうとして集約化を進めようと取り組んできたのですが、当然の事ながら思うような進展にはなってはいないようです。

 

約10年もの年月を掛けて取り組んできたコンパクトシティ構想が成功したかどうかは、誰にでも簡単に判断できることでしょう。

現状では町の中心部は寂れ果てていて、勢い勇んで建てた大規模商業施設にはほとんど人が入っておらず、店も撤退していっているような状況なのですから・・・とても人が集まってきたという印象は抱けない状態ですね。

 

そして、この10年間で行政が取り組んできた事業の1つに、「郊外のお年寄りに町の中心部へ移り住んでもらう。」・・というものがありました。

行政が行おうとしていたのは、お年寄りが住んでいる郊外の家と土地を売却して・・・

そのお金で中心部のマンションを購入してもらうというものでした。

 

当然の事ながら、この取り組みはあえなく失敗ということになりました。

しかし、こんな事は10年も取り組まなくても失敗することは簡単に判断できたのではないでしょうか?

 

中心部のマンションを購入するためには、郊外の土地が売却できなければならない・・・

コンパクトシティ化のためには中心部のマンションをお年寄りに購入してもらわなければなりません。

しかし、そのためには郊外で住んでいた土地と建物を売却して資金が用意できなければならないというのが構想の大前提でした。

 

でもね・・・・

アホでも分かることだと思いますが、お年寄りが住んでいた団地の土地は簡単に売れるわけがないのです。

 

昔の団地が売れない理由としては・・・

  • 現代の住宅を建てるには敷地の面積が小さい事が多い
  • 敷地が狭いと駐車場スペースを確保しにくい
  • 土地に面した道路の幅も圧倒的に狭いことが多い
  • 古い慣習や習慣が残っていて新規生活者には理解できない事が多い
  • 下水道や融雪設備などが完備されていないことが多い
  • 若い夫婦や子供が少なくて友達を作ることができない

ちょっと考えただけでもこれだけのデメリットが思いつきますね。

 

さらに、地方自治体が進めているコンパクトシティ構想が土地の売却をさらに難しくさせてしまっていることに気が付きましたか?

当然ですが、これから先は郊外の土地は、コンパクトシティ構想によって見捨てられてしまう運命にあるのです。

 

夢や希望を抱き、高いお金を払って土地を購入しようとしている若者がこんな見捨てられる予定の土地を購入するわけがありません。

仮に購入しようとする人がいたとしても、圧倒的に安い価格でないと購入しないことでしょう。

 

今まで住んでいた土地や建物を売却もできず、仮に売却できたとしても安値だったりしたならば・・・

当然の事ながら、2000~3000万円ほどする中心部のマンションは購入できないのです。

 

つまり、地方自治体が行なっていることは矛盾しているのです。

前提がおかしいのですから、お年寄りを中心部に集めるという事業は簡単には進まないのも無理はありません。

 

そもそも、コンパクトシティ化で人を集めたいのか・・・そうでないのか?

さらに地方自治体の行なっていることが変に感じるのは・・・・

お年寄りの土地の売却が上手くいってしまうと、その土地を買った人は・・・さらに郊外に人が住み続けるということになります。

おかしくないですか?

これでは全くコンパクトシティとして集約化してはいかないですよね?

 

上下水道や学校や図書館などの公共施設を中心部に集めたいのにも関わらず、また郊外に人を住まわせてしまったのでは・・・

郊外の土地を買った人は損をしてしまいます。

つまり・・・見捨てられてしまうことが決まっているのです。

 

これだけの矛盾点があるのですから、上手くいかない事が10年前に予想できなかったことに驚きを感じます。

 

市場原理がわかっていれば、この間違いは簡単に気がついたと思われる・・・

今、紹介しているお話は誰にでもわかる簡単な内容だと思います。

しかし10年前の地方自治体の公務員には予想できなかったようです。

 

なぜなら、失敗しても誰も責任をとる必要がないのですから・・・。

「コンパクトシティ化を進めるために必要な事を行いました。」で済むのです。

 

仮に、当時この事に気がついていた人がいたとしても・・・声を上げる人はいなかったことでしょう。

だって面倒くさいですからね。

専門家が考えたコンパクトシティ構想を単純に導入しさえしたら、実際にコンパクトシティになるかどうかなんて関係ないのです。

 

 2001年にこんな本が販売されていたのですし、これ以外にもコンパクトシティを唱える専門家が多くいましたから・・・

コンパクトシティ―持続可能な社会の都市像を求めて

コンパクトシティ―持続可能な社会の都市像を求めて

 

 

この専門家達もコンパクトシティの良さと必要性は説いていましたが、どうやったら上手くいくのかは説いていないのです。

 

まとめ

経費削減のために、地方自治体は試行錯誤してコンパクトシティ化を進めようとしていますが・・・ 

人によって感じ方が違うのが面白いと感じますね。

 

ある人は・・・「行政も一生懸命にやっているじゃないか!」という感じで言っている人もいました。

 

しかし別の人は・・・「公務員は自分達の人件費を減らすことには抵抗するのに、公共事業や公共施設を減らすのは一生懸命にやる。これでは公務員の給料を確保するために、住民には必要だけど・・・公務員の給料以外のコストを減らしているようにしか見えない。」と言っていました。

 

確かに、現在では税収のほぼ100%が公務員の人件費に消えていっているということですから・・・あながち間違いな意見とも思えなくもありません。

民主党は公務員の給料を30%削減すると宣言して与党となったにもかかわらず、結局は公務員の給料削減以外のどうでもよいことに一生懸命になってしまい・・・

結局は再起不能な状態とまでなって消えていきました。

 

どうでしょうか?

このように言われてみると、コンパクトシティ構想などのように、公務員が一生懸命に公共事業や公共施設を削減しているのは・・・

 

自分達の給料を守るためという風に見えてくるようになってきませんか?